
|
■ まずは先生のプロフィールをお聞き出来ますか。
大学生時代、当時、インドシナ難民として日本に来ていたベトナム人の友人がカトリック信者で、彼と親交を深めるうちに、私自身もカトリックの洗礼を授かりました。卒業後、すぐにカトリック学校に就職し、数学とキリスト教倫理を教えていました。教職についてから、不登校や様々な思春期特有の課題に直面し苦戦している生徒たちと出会い、専門的な研究をしたいと思い、2008年から筑波大学大学院の人間総合科学研究科生涯発達専攻カウンセリングコースに入学し修士論文を書きました。カウンセリング修士です。学校心理士、ガイダンスカウンセラー等の資格も持っています。東星学園の校長になって5年目になります。
■ 東星学園には特別な使命があるそうですね?
はい。それを話すために、まず創立の経緯から話します。東星学園はもともと児童養護施設としてスタートしました。80年前、当時、隔離されていた結核患者さんの子どもたちの家が東星学園でした。その後、東星学園は学校となり、今日に至っています。いまでは、結核は治る病気になり、患者さんが差別されるようなことは少なくなりました。東星学園も結核患者さんの子どものための学校ではなくなりました。しかし、東星学園は、いま話した創立の精神を忘れてはならないと考えています。それは、弱い立場にある人と共に歩み、居場所つくるという使命です。ところで、いま弱い立場にある人たちのため、と言いましたが、それはすべての子どもにあてはまります。なぜなら人は誰でも弱い面を持っているものですし、ある日突然、弱い立場に置かれることもあるからです。生涯を通じて援助を必要としない人などいないわけですし、神様の愛に支えられなければ生きてはいけません。創立者フロジャク神父は「愛は実行すること」という言葉を残しています。私たち東星学園の教職員の使命は、神様の愛を、実行によって子どもたちに伝えてゆくことなのです。 |